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PEN220A 小さな力持ち

英Ediswanの電池管PEN220Aを紹介しよう
PEN220Aは2V、0.2Aのフィラメントを持つ五極型出力管です。

PEN220A-1.jpg

小さなバルブぎりぎりの大きさのプレートが出力管であることを主張しています。
電池管ゆえ効率が良くEp150V時に1.1W得られます。
三極管接続の動作も有望で以前紹介したEdiswan社のP220Aに近い出力が得られそうです。

PEN220A-2.jpg

髪の毛よりも細いフィラメントが小さなコイルスプリングによって吊られ2往復しています。
今回入手のサンプルは民生用ではなかったためメーカー名の印字が見当たりません。

以下にThrower - Radio valve data 1926-1946から動作例を示します。

Ef 2V   If 0.2A
Ep 150V   Eg-9V   Ip 18mA
RL 6000Ω   Po 1.1W
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SP230 Tungsram 斜めプレートのミニワッター

斜めプレートのミニワッター、SP230を紹介しよう
Tungsramはバリウム昇華型フィラメントを得意にしていたメーカーで酸化被膜フィラメントの球にまでバリウムチューブと印字していました。
今回のSP230は正真正銘のバリウム昇華型フィラメントです。

SP230-1.jpg

当時TungsramではRE304相当管のP430クラスの球までの小型管に斜めプレートを採用していたようです。
SP230は電池管の中ではプレート耐圧が高く180Vを許容しています。
手持ちは1本のみですが魅力的な姿態をしているので鋭意探索中です。
以下にThrower - Radio valve data 1926-1946から規格を抜粋します。

Ef 2V   If 0.3A
Ep 180V   Eg -23V   Ip 18mA
rp 2.5KΩ   Gm 2.0mA/V   μ 5(計算値)
RL 6KΩ   Po 460mW

P.220A Ediswan MAZDA

英Ediswanのミニワッター、P.220Aを紹介しよう

P220A-1.jpg

縦に細長いプレートの中にフィラメントが2往復しています。
最大プレート電圧150Vなのですがステムやフィラメント周りの絶縁対策がしっかりと為されオーバークオリティーとも言える内部構造です。

P220A-2.jpg

中・大型管には無い緻密さが有るミニワッターは貧乏コレクターにとって最高の収集対象です。
1939年のEdiswan社のデータシートから以下に規格を抜粋します。

Ef 2V   If 0.2A
Ep 150V   Eg -14V   Ip 15mA
RL 4.1KΩ   Po 350mW

SP2 Triotron オーストリア

オーストリアのTriotron製ミニワッター、SP2を紹介しよう
Triotron製2Vフィラメントの出力管の中では最も出力が大きい球であったようです。
1927年頃に開発されたようですが電極構造がとても綺麗で古さを感じさせません。
写真のサンプルはゲッタが盛大に飛んでいて内部構造が良く見えませんが下方のゲッタの隙間から除くと米系で言うと71Aクラスのとても綺麗なニッケルプレートが確認できます。
球の種別がMagna Power Valveとなっていることからも2V管では最上位の球であったことが伺えます。

SP2-1.jpg

今でこそミニワッターですが当時の基準からするとMagna Powerであり何か不思議な感覚に囚われます。
ベースは赤みがかった茶ベースでピンはスリットの入ったブラスピンです。
私は1929~30年頃の製品ではないかと予想しています。

規格をThrower - Radio valve data 1926-1946から以下に抜粋します。
Ef 2V   If 0.33A
Ep 180V   Eg -33V   Ip 17.5mA
rp 2KΩ   Gm 2mA/V   μ 4
RL 3.5KΩ   Po 0.5W

230XPと415XP

英Cossorの230XPと415XPを紹介しよう。
230XPは前回紹介したHIVACのPX230とほぼ同規格の球で415XPはその4Vバージョンです。
写真右が230XPの後期型で左が415XPの初期型です。
フィラメント電源、B電源共に省電力ですので球の発熱が少ないですからこのような小型化が可能なのでしょう。
230XPは可搬型の軍用無線機にも多数使用されていたようで軍NO.の物が多いように思います。

415230XP-1.jpg

230XPは電池管の中では内部抵抗が極めて低く米系の245並みです。
そのため特性の良いOPTを使えば非常にワイドレンジかつハイスピードな音楽再生が可能です。
規格をCossor Valve Manula 1935から以下に抜粋する。

Ef 2.0V   If 0.3A (415XPはEf 4.0V   If 0.15A)
Ep 150V   Eg-18V   Ip 22mA
rp 1.5KΩ   Gm 3.0mA/V   μ 4.5   RL 3.5KΩ

上記動作でHIVACのPX230と同じ450mW得られます。
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D404F203

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